みなさん、こんにちは。
前回に続き、膨大なセンサーデータから自動で異常を検知して Dynamics 365 にケースを自動作成するサンプルデザインを紹介します。
前回の記事を読まれていない方は、是非ご覧ください。
膨大なセンサーデータと連携 ! Azure Cosmos DB 連携: 概要
膨大なセンサーデータと連携 ! Azure Cosmos DB 連携: 事前準備 その 1
前回は、Azure Cosmos DB を準備しました。今回は、それ以外の事前準備について紹介します。
Azure Cosmos DB コネクタの構築
本サンプルでは、Logic Apps から Azure Cosomos DB に異常なデータがないか定期的にチェックする実装を行います。Logic Apps のトリガーと呼ばれる機能を使うことで実装しますが、現在、Logic Apps の標準機能では、Azure Cosmos DB をトリガーする機能は確認できないため、弊社 Jeff Hollan (Program Manager for Microsoft Azure ) が GitHub に公開しているコネクタを利用します。コネクタを展開すると Azure API として構築されます。Azure API に Azure Cosmos DB のキーを事前に設定し、Logic Apps はこの API を アクセスしたい Azure Cosmos DB とともに呼び出すことで操作可能になります。
1. コネクタの GitHub にアクセスします。
https://github.com/jeffhollan/docdb-connector
2. Deploy to Azure をクリックします。
3. Azure にログインします。
4. [Next] をクリックします。
5. [Deploy] をクリックします。
6. 完了しました。
7. Azure 内に Azure API とプランが作成されていることがわかります。
8. 作成した Azure API を開きます。
9. [アプリケーション設定] をクリックします。
10. アプリ設定に、”masterkey” および、Azure Cosmos DB アカウントのキーを貼り付けます。
11. 保存します。
12. Azure API にアクセスできるか確認します。
以上です。
Dynamics 365 Online の作成
続いて Dynamics 365 Online を準備します。過去の記事にてトライアル版を申し込みます。
https://blogs.msdn.microsoft.com/crmjapan/2016/12/05/dynamics-365-trial-setup/
Azure Logic Apps の作成
最後に、Azure Logic Apps を作成します。
1. Azure にログインします。
2. 新規から “Logic Apps” を検索し、作成をクリックします。
3. 作成します。今回は、Azure Cosmos DB アカウントと同じリソースグループにしました。
4. 自動的にデザイナーが開きます。
5. [空のロジック アプリ] をクリックします。
6. “HTTP” で検索し、 “HTTP + Swagger” を選択します。
7. 作成した Azure API の URL を指定し [次へ] をクリックします。末尾に “swagger” を含めてください。
8. [Query Documents] を選択します。
9. Azure Cosmos DB アカウント、データベース、コレクションを指定します。Query では、staus が “NG” のものを取得するクエリを指定します。
10. 保存します。
11. この時点で Logic Apps を実行してみます。[実行] をクリックします。
12. 緑色になっていれば成功です。
13. またクリックします。出力部分に、異常データが表示されていることを確認します。
14. 次に Dynamics 365 にレコードを登録する処理を追加します。[デザイナー] をクリックします。
15. [For Each の追加] をクリックします。
16. テキストボックスを選択します。
17. “Documents” をクリックします。これが、Query Documents の結果になります。
18. テキストボックスに “Documents” が設定されます。また、アクションの追加をクリックします。
20. "Dynamics” を入力します。
21. レコードの作成を選択します。
22. Dynamics 365 にログインします。[サインイン] をクリックします。
23. ログインします。
24. エンティティを選びます。今回はサポート案件を選択します。
25. 今回は異常なデータごとにサポート案件を作成します。コードビューをクリックします。
26. わかりやすいように [サポート案件のタイトル] に異常なデータのIDを挿入してみます。 "title" に “@item()[‘id’]” を追加します。
27. 保存して、[デザイナー] をクリックします。タイトルにデータの id が挿入されていることがわかります。
28. [顧客] および [顧客 Type] に値を設定します。今回は、事前に登録した account レコードの GUID を追加します。
以上です。
動作確認
早速、動作確認してみましょう。
1. [実行] をクリックします。
2. Logic App が実行されます。すべての処理が緑色のアイコンが付けば正常に完了です。
3. Dynamics 365 の [新しいレコード作成] をクリックします。“title” に異常なデータの id が設定されていることがわかります。
4. 実際にレコードが作成されているか確認します。Dynamics 365 にログインします。[サービス] > [サポート案件] をクリックします。
5. サポート案件にレコードが登録されていることがわかります。タイトルに ID が設定されています。
以上です。
まとめ
本記事にて、事前準備は完了しました。次回は、もう少し詳細に解説したいと思います。
– プレミアフィールドエンジニアリング 河野 高也
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